【獣医師監修】愛犬への正しいブラッシング・歯磨き・爪切りの仕方
トップ » コラム » 【獣医師監修】愛犬への正しいブラッシング・歯磨き・爪切りの仕方
わんちゃんと暮らしていると、どのくらいの頻度でブラッシングや歯磨き・爪切りなどの日常のケアをした方が良いか疑問に思うことはありませんか?
今回は、自宅でできるケアやプロに任せた方が良いケアまで含めて、獣医師の観点から解説をしていきます!
また、「バウワウ プレイス」では、健康的に過ごすために必要な栄養分を含んだフードおやつ・ケア用品を数多く取り揃えています。
正しい情報を持っていただき、愛犬の健康維持にぜひお役立てください!
1.ブラッシング
おうちでできるケアのひとつがブラッシングです。
特に毛の長いわんちゃんは毛玉ができやすく、長い間毛玉を放置するとブラッシング時に痛みがでたり皮膚炎の原因になったりします。
また、ブラッシング中に被毛や皮膚の状態を観察することで、病気の早期発見にもつながります。
正しい頻度や方法で、できる限り実施してみましょう!
◆頻度
長毛のわんちゃんは毎日、短毛であれば2-3日に1回は行いましょう。
これから花粉の季節になりますが、わんちゃんが花粉を毛につけたまま帰ってきてしまう可能性があります。
家族の中に花粉症の方がいらっしゃる場合は、毎回のお散歩後にブラッシングを行った方が良いかもしれません。
◆使う道具
ブラッシング用のブラシには、ラバーブラシ・スリッカー・コームなど様々な種類があります。
一般的には長毛のわんちゃんにはスリッカーブラシ、短毛のわんちゃんにはラバーブラシが良いとされています。
自宅で行う場合は、わんちゃんが嫌がらない素材のものを使いできるだけ短時間で行うことがポイントです。
毛玉を解消できるかどうか、わんちゃんの毛質に合った商品かを重視して、お互いにストレスなくブラッシングができるブラシを探してみてください。
◆毛玉ができやすい場所
脇の下、太ももの付け根、耳回りなどは毛が絡まりやすく、毛玉になりやすいです。
ただ、これらの場所はわんちゃんが触られるのを嫌がる場所でもあるので、慣らしながら徐々に行ってみてください。
◆ブラシの慣らし方
できるだけ子犬の頃から始めること、最初はおやつなどのご褒美をあげながら行う事、痛くない素材のものを使用する、などの点に気を付けると良いでしょう。
最初は首のうしろや背中などから始め、徐々にブラシをかける範囲を広くしていくと良いでしょう。
四肢の先端などは嫌がる場合が多いので、ある程度慣れてから行うことをおすすめします。
2.歯磨き
歯周病は万病のもとと言われるため、歯磨きは大切な日常ケアです。
大手ペット保険会社のアニコム損保さんの調査によると
「歯周病に罹患している犬は、健康な犬に比べると、翌年全ての傷病の罹患率が1.4倍になる」ということが分かったそうです。
※ペットの歯周病予防、口腔内環境改善から健康寿命延伸へ
歯周病を防ぐには歯磨きが一番なので、できる限り自宅でのケアを実施しましょう!
◆歯磨きの頻度とやり方
理想的な頻度は毎食後ですが、難しい場合は一日一回を目指しましょう。いきなり歯ブラシを使用するのは難しいことが多いので、まずは口の中を触る練習をしましょう。
口の中を触れるようになってきたら、指に指サックをつけてジェルを塗る練習をし、最終的に歯ブラシを使用してみましょう。
◆歯磨きガムはどう使う?
歯磨きが苦手なわんちゃんでも、歯磨きガムは好きな場合が多いですよね。歯磨きガムには歯についた汚れを落とす効果がありますが、残念ながらガムだけではケアは充分とはいえません。
あくまでも歯磨きガムの補助として使用するようにしましょう。
歯磨きガムを使用する際は、飼い主さんが手に持った状態で与えましょう。
そうすることでしっかりと奥歯でガムを噛むことができ、汚れを落とす効果が高まる上に、丸のみを防止することができます。
3.爪切り、足裏の毛の処理、肛門腺絞り
爪切りや足裏の毛の処理、肛門腺絞りはなかなか自宅で行うのは難しい場合が多いです。
これらのケアは毎日行う必要はないため、わんちゃんの体の状態に合わせて、定期的に動物病院やトリミングサロンなどに任せるのも良いでしょう。
◆爪切り
わんちゃんも、人間と同じように爪が伸びます。
3週間~1か月に1回のペースでの爪切りを勧める場合が多いですが、爪が伸びる速度はそれぞれです。
体重の大きなわんちゃんやお外で沢山運動をするわんちゃんは、歩く過程で爪が削れるため、そこまでの頻度で爪切りが必要ではない場合もあります。
自宅でわんちゃんの爪切りを行う場合は、動物用の爪切りを使用し、万が一出血した場合は慌てずに圧迫して止血をしましょう。
圧迫しても出血が止まらない場合は動物病院を受診してください。
◆足裏の毛の処理
肉球の間の被毛は、長くなると足が滑る原因となります。
足が滑ると膝や股関節への負担が大きくなり怪我にもつながるので、定期的に短く刈る必要があります。
一般的にはバリカンで行うことが多いですが、バリカンで肉球や皮膚を傷付けてしまう場合もあるので、自宅での実施を嫌がる場合は無理をしないでくださいね。
◆肛門腺絞り
肛門のまわりにある2つの袋は「肛門嚢」と呼ばれ、その中にくさ~い液体が入っています。
元々は排便の際に一緒に分泌し、「におい付け」をすることで縄張りの主張などに使用していました。
体格の小さいわんちゃんや、体質的に液体が出にくかったり溜まりやすかったりするわんちゃんは、肛門嚢の中で炎症を起こしたり詰まったりする場合があります。
そのような事態を防ぐためにも、月に一回程度、肛門腺を絞ってあげる必要があります。
肛門腺絞りはなかなか自宅で行うのは難しいため、プロに任せたほうが良いかもしれません。