【獣医師解説】愛犬・愛猫の発作とは?

犬・猫発作

 

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季節の変わり目は気圧の変化なども大きく、発作を起こしやすい環境になることがしばしばあります。
もしも大切なパートナーに発作が起きた時にあわてず対処するためにも、今回はわんちゃん・ねこちゃんの発作について詳しく解説します。
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正しい情報を持っていただき、愛犬の健康維持にぜひお役立てください!


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1.発作とは

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発作は、大きく分けて「焦点性発作」と「全般発作」に分類されます。また、一回の発作が5分以上継続したり、複数回の発作が断続的に起きてその間に意識の回復がない状態を「発作重積」と呼びます。
※発作重積が起きた場合はできるだけ早くに治療をする必要があるため、すぐに動物病院を受診するようにしてください。


焦点性発作

焦点性発作は部分発作と呼ばれることもあり、体の一部だけが痙攣などを起こす状態を指します。

具体的には手や足のみが痙攣する、よだれがたくさん出る、空中の何かをパクパク食べるような行動をする、などが挙げられます。
これらの症状は発作と結びつかない事も多いため、何となくいつもと様子が違うという主訴で動物病院を受診し、「焦点性発作」と診断されるケースもあります。

 

全般発作

全般発作は全身性の痙攣を指します。
具体的には四肢が硬直した状態で痙攣をする、意識がなくなる、泡をふく、手足を動かして泳いでいるような行動をとる、などが挙げられます。

全般発作が起きた場合、脳全体で異常な活動が起きている事を示します。発作が一度だけの場合でも、一度動物病院を受診した方が良いでしょう。

 

発作重積、発作群発

先ほども述べたように、発作重積とは一回の発作が5分以上継続したり、複数回の発作が断続的に起きてその間に意識の回復がない状態を指します。

発作が長く続くと脳へ大きなダメージが与えられる可能性もあるため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

また、一回の発作は短いものの、一日に何度も発作が起きる状態を発作群発と呼びます。発作群発の場合も可能な限り動物病院を受診した方が良いでしょう。

 

 

 

 

2.発作の原因

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脳以外の原因

低血糖や体内の電解質(ミネラル)異常、肝不全、腎不全などの代謝的な異常によって二次的に脳に異常が起き、発作につながる場合があります。熱中症や何らかの中毒物質を摂取した場合にも発作が起きることがあります。

また、不整脈など心臓が原因の失神を起こした場合に、発作の症状と勘違いをされることもあります。
発作が起きて動物病院を受診した際に血液検査や超音波検査、心電図検査などをされることがあると思いますが、これは上記の異常が隠れていないかを見つけるために検査を行っています。

脳以外の原因で発作が起きている場合は、その原因疾患を早期に治療できればその後の発作を抑えられるケースもあります。

脳内の疾患

脳炎や脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、頭部外傷など、脳内に異常があって発作を起こしてしまう場合があります。

これらの原因を特定するためには麻酔をかけたMRI検査や脳脊髄液検査が必要となります。これらの検査は費用や麻酔のリスクなどの面から決断をためらう方も多いとは思いますが、その後の投薬内容や治療方法を決定する重要な判断材料となる場合もあります。
かかりつけの獣医師とよく相談して、検査に進むかどうかを決めるようにしてください。

 

特発性

代謝性の異常や脳内の異常がないにもかかわらず発作を起こしてしまう病態を「特発性てんかん」と呼びます。

特発性てんかんの場合、基本的には発作を抑える「抗てんかん薬」を服用します。お薬の服用は生涯にわたる場合もありますが、発作の頻度をうまく抑えることができれば比較的予後は良いとされます。

 

 

 

 

 

3.発作が起きた時にとるべき行動

犬猫 発作が起きたとき

 

わんちゃん・ねこちゃんがけがをしないための工夫

発作が起きている最中は自分の意志で動いているわけではないため、強い力で壁などにぶつかってけがをする恐れがあります。特に眼球を傷つけると危険なので、タオルなど柔らかいもので囲った空間で落ち着くまで見守りましょう。
発作止めの頓服薬が処方されている場合は、そのお薬を投与してから落ち着くまで見守ってください。
発作が起きている状況では無意識に飼い主さんを噛んでしまう事もあるため、その点にも気を付けて慌てずに対処しましょう。

 

発作の様子の記録

発作中のわんちゃん・ねこちゃんの安全を確保したら、その様子を記録しておくとその後の受診時に役立ちます。具体的には発作が起きている時間をメモしたり、発作の様子を動画に収めたりすると良いでしょう。


動物病院の受診の判断

発作が重積や群発(1章を参照)している場合は、できるだけ早く受診をしましょう。また、初めて発作が起きた場合も受診をお勧めします。
ある程度発作がコントロールできている段階で短い発作が起きた場合は、発作の記録を残して様子を見るか、受診をすべきかかかりつけの動物病院に相談をしてみてください。

まとめ

 

バウワウプレイス

 

 

今回は、わんちゃんやねこちゃんの発作について解説しました。急な天候の変化や季節の変わり目は、気圧の変化とともに脳圧の変化も起きやすく、発作が起きやすいともいわれています。

発作は、あらかじめ予防をする事が難しいケースがほとんどです。もしも発作が起きてしまったときは慌てずに、この記事を参考に対処してみてください。