【獣医師解説】放っておくと怖い愛猫の歯周病
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◆歯周病とは?
歯を支持している歯周組織(歯肉や、歯を支えている骨など)が破壊・吸収された状態を歯周病と呼びます。
歯そのものが病気になる「虫歯」とは異なります。
愛猫も愛犬と同様に唾液がアルカリ性であるなどの特徴があるため、人よりも虫歯にはかかりにくく、主に歯周病が問題となります。
歯周病は高齢になってからの病気、と思われる方も多いかもしれませんが、実は2歳以上のねこちゃんの80%以上が何らかの歯周病を抱えているといわれており、注意が必要です。
ドライフードを痛がって食べない、歯肉が赤くなってきた、などの症状で飼い主さんが歯周病に気づくことが多いです。
ねこちゃんの症状の進行具合は個体差が大きく、若齢でもかなり重症な歯周病を発症する子もいれば、高齢でも歯周病が全くない子もいます。
◆原因と病態
歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病源細菌が歯肉に感染し炎症を引き起こします。歯肉炎の症状としては歯肉が赤くなったり、歯肉が下がったり、出血したりします。
歯肉炎を放置してしまうと炎症がその周囲にも波及し、歯を支えている骨が溶けてしまいます。骨が溶けると歯が抜けたり、口と鼻の間に穴が空いて鼻水や鼻血が出たりします。
わんちゃんでは下顎の骨が折れることがありますが、ねこちゃんではまれです。
このように細菌感染や炎症がひどくなると、脆くなった毛細血管などから細菌や炎症物質が血液に入り込み、遠く離れた腎臓・心臓・肝臓などに影響を及ぼします。
ねこちゃんでは特に腎臓病との関連が示唆されています。歯周病は万病のもと、といわれるのはこれが原因です。
歯周病は万病のもと、といわれるのはこれが原因です。
◆舌炎や口内炎
歯肉炎だけでなく舌やその他の粘膜に炎症が広がっている場合、癌やウイルス・真菌感染など、ほかの原因も考える必要があります。
口内炎の原因となり得る「猫カリシウイルス」「猫ヘルペスウイルス」などの感染はワクチンで予防できるものもあるため、予防をしっかりすることが大切です。
お口の中の炎症がどの部位まで及んでいるのかをおうちで観察するのは難しいと思いますので、お口の中に異変を感じたらかかりつけの動物病院に相談してみてください!
※参考コラム(愛犬向け)
2.歯周病の治療方法
◆全身麻酔での処置
歯周病の相談をした時に、麻酔をかけた処置が必要と獣医師から言われた事がある方は多いのではないでしょうか。
実際、歯周病の正確な評価や治療には全身麻酔が必須となります。
麻酔をかけた後の処置の流れとしては、
①レントゲン撮影などを用いて歯周病がどのくらい酷いのか、どの歯を抜くべきなのかを評価する
②超音波スケーラーを用いて歯石や歯垢を除去する
この際に、歯肉の内側に隠れている歯周ポケットまで念入りに綺麗にします。
最後に研磨剤を用いて歯の表面を滑らかにします。
③必要な歯の抜歯、縫合(必要に応じて)をする
となります。
ねこちゃんは歯周病が進行すると全部の歯を抜歯しなければならない場合もあるので、できるだけ早期に処置を行うことが大切です。
◆無麻酔でのスケーリングってどうなの?
ひとつ前の項で解説した通り、歯の処置には様々な工程が必要です。
これを麻酔をかけずにねこちゃんを抑えつけながら行うのは…難しいしかわいそうですよね。
ねこちゃんに無麻酔のスケーリングをおすすめする人は少ないとは思いますが…
無麻酔で、目立っている歯石を除去したとしても、隠れた歯周ポケットが綺麗にならなければ歯周病は治りません。
もちろん全身麻酔にはリスクはあるので、しっかりとした体制で麻酔の管理や処置をしてくれる動物病院を選ぶ事が大切です!
◆歯科専門の動物病院
最近では歯科に特化した動物病院が増えてきています。
歯科を専門的に治療している動物病院では最新の機器がそろっていたり、マイクロスコープを使った細かい処置を行っていたりするため、より最適な治療が受けられます。
おうちの近くに歯科に特化した動物病院がある場合は、一度相談してみると細かいアドバイスなどがもらえるかもしれませんね。
※参考コラム(愛犬向け)
3.愛猫の歯周病の予防法
◆デンタルケア
おうちでのデンタルケアが歯周病の唯一の予防方法ですが、わんちゃんと異なりねこちゃんはおやつなどでしつけをするのが難しいのも事実です。
ねこちゃんの性格をみて、可能であれば小さい頃から口の中を触られる事に慣れさせ、歯磨きは楽しいものだと教えましょう。
練習を始めるときは、まず顔やお口の周りを触る事に慣れさせましょう。
慣れてきたら、指で歯や歯肉を触る練習をし、続いて指にガーゼを巻いた状態でお口の中を触ります。
ここまで慣れる事ができたら、ようやく歯ブラシの出番です。
徐々に練習をしながら、歯ブラシで歯を磨く事をゴールに頑張りましょう。
ブラシでの歯磨きに慣れてきたら、歯の外側だけではなく内側も磨けるようになるとベストです。
◆歯磨きガム
歯磨きガムは、単独では十分なケアとは言えないでしょう。
ただ、どうしても歯磨きが苦手な場合やブラシでの歯磨きの後のご褒美などにはとても良いです!
歯磨きガムを与える際には丸飲みされないように注意してください。
ガムの片側を飼い主さんが掴んだ状態でねこちゃんに食べさせる方法をとると、しっかりとガムを噛めるのでおすすめです。
◆デンタルおやつ
デンタルケアや歯磨きガムの他にも日々のおやつから健康サポートすることもオススメです。
BAUWAW(バウワウ)のデンタルケアおやつは、
添加物不使用/グルテンフリー/低塩分で愛犬にもとてもおすすめです。
お口の健康サポートとしては、
歯周病の原因菌である不溶性グルカンを防ぐことで知られる乳酸菌と、シャンピニオンエキスを配合しております。
まとめ 無添加キャットフードをお探しの方はバウワウ プレイスへ!
今回はねこちゃんの歯周病について詳しく解説しました。
わんちゃんと内容が重なる部分も多いですが、猫ちゃん特有のウイルス感染症などがある点に注意が必要です。
※参考コラム(愛犬向け)
ねこちゃんは動物病院に連れていくストレスも多いため、できる範囲で自宅でのケアを頑張り、歯周病を予防しましょう!
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