【獣医師解説】動物病院で行われている愛犬・愛猫への麻酔について解説!

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わんちゃんやねこちゃんを飼っている方なら、麻酔や鎮静についてかかりつけの獣医師からお話を受けたことがあるかもしれません。

今回は、麻酔や鎮静についてできるだけ分かりやすく解説をしていきます!


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1.鎮静や麻酔の種類

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◆ 鎮静

鎮静は、眠くなる作用を持つお薬を使用することで、わんちゃんやねこちゃんの身体を脱力させ、処置や検査のストレスから解放するために行います。

鎮静薬を使用する場面は大きく分けて以下の3つです。

①検査・処置などでストレスを感じやすい子に対しての使用

動物病院での処置へのストレスを感じやすい子には、鎮静薬を使用してから実施をする事があります。

あらかじめ鎮静効果のある内服薬を服用してから来院してもらう方法もあります。

②痛みを伴う処置への使用

関節脱臼の整復や骨折後のレントゲン検査など、痛みの大きい処置を行う際に鎮静薬を使用することがあります。

この場合は内服薬ではなく注射薬で鎮静薬を使用することが多いです。

③全身麻酔の準備段階での使用

全身麻酔を行う場合は「バランス麻酔」といって、様々なお薬を少量ずつ組み合わせることでそれぞれのお薬の副作用を最小限にしています。

そのお薬の中で鎮静薬を使用するため、全身麻酔においても鎮静薬は使用されます。

鎮静と聞くと薬を使って無理やり眠らせるようなイメージを持たれるかもしれませんが、過剰なストレスを与えながら無理に検査を行うよりは、鎮静薬を使用した方がお互いにとって良い場合が多いです。(持病によりお薬を使えない場合は別です。)

実際に、海外では点滴のルートを取ったりレントゲン検査やエコー検査を行うためだけに鎮静薬を使用するケースも多々あります。

◆ 局所麻酔

局所麻酔は、特定の区域の知覚神経を麻痺させて痛みを感じなくさせる麻酔です。

手術において鎮静薬や全身麻酔薬などと組み合わせて、より確実に鎮痛作用を得るために実施されます(神経ブロックや硬膜外麻酔など)。

この場合の局所麻酔には技術や専用の器材が必要となります。

その他、小さな皮膚腫瘤の切除や外傷の縫合などで鎮静や全身麻酔の必要がないと判断された場合に、局所の浸潤麻酔のみで処置を行うことがあります。

この場合の局所麻酔では特別な器材などは必要ありません。

◆ 全身麻酔

全身麻酔は「鎮痛」「筋弛緩」「昏睡状態」の3つを満たすことで成り立ちます。

獣医療では、手術、CT・MRI・内視鏡などの検査、放射線治療などを行う際に全身麻酔が必要となります。

全身麻酔では前述の3つの要件を満たすために鎮静薬・鎮痛薬・筋弛緩薬などを組み合わせて完全に意識や痛覚を消失させます。

全身麻酔は鎮静や局所麻酔よりも全身への負担が大きいため、実施する前には血液検査やレントゲン検査・超音波検査などを行って麻酔のリスクとなりうる要因がないかを調べる必要があります。

検査結果次第では、手術を延期して基礎疾患の治療を優先する場合もあります。

 

2.全身麻酔の流れ

心電図の様子

ここでは、全身麻酔を受ける場合の流れを解説します。

麻酔前の準備

全身麻酔の前には数時間~12時間程度の絶食が必要となります。

麻酔をかける際に胃の中にご飯がパンパンに入っていると、眠らせた時に胃の内容物が逆流して誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まるためです。

絶食をする期間はその子の年齢や基礎疾患などによって異なるため、事前にかかりつけの獣医師に確認をしましょう。

また、持病によって毎日の投薬が必要な場合、当日の朝の投薬が必要かどうかも合わせて確認をしましょう。

病院に到着してからは、麻酔前の最終確認のあと静脈にカテーテルを留置して点滴を開始し、体の水和状態を良くします。

麻酔中

麻酔中は心電図、酸素飽和度、血圧、体温、呼気中の二酸化炭素濃度などの様々な項目をモニタリングし、記録します。

不整脈や血圧の低下などのトラブルが起こった際には、麻酔を担当する獣医師が適切な投薬を行って対処します。

麻酔中に想定されるトラブルは症例によって異なるので、事前の準備が大切です。

麻酔後

麻酔から覚めたあとは、少なくとも3時間は注意深く観察をする必要があります。

わんちゃんやねこちゃんは環境の変化などの不安によって痛みを増大させてしまうことがあるため、手術を行った場合は痛みを取り除く治療を積極的に行います。

手術や検査が日帰りの場合、帰宅して落ち着いたらまずはお水を飲ませてみましょう。

お水を問題なく飲めた場合は、いつもよりも少ない量で夜ご飯を与える事をおすすめします。当日は安静に過ごしましょう。

 

3.マメ知識 麻酔の歴史

薬草のイメージ

 

鎮痛や麻酔がどのように発展していったかご存知ですか?

普段あまり気にすることはないと思いますが、ここでは麻酔の歴史について軽く解説していきます。

薬草による麻酔

なんと紀元前4000年頃から、薬草が鎮痛薬として用いられていたようです。

当時使用されていた薬草には麻薬成分が含まれるものが多く、鎮痛作用があることも納得できます。

日本での薬草の歴史としては、1804年に華岡青洲という人物が「通仙散」という麻酔薬(薬草を主体とする内服薬)による全身麻酔で、世界初(!)の全身麻酔下での外科手術を成功させました。

吸入による麻酔

一番最初に吸入麻酔薬が合成されたのは1540年でした。

1853年には「クロロホルム」という吸入麻酔薬を使ってヴィクトリア女王が無痛分娩を行ったようです。

無痛分娩の歴史がこんなにも長いとは驚きですね。

注射による麻酔

注射でお薬を投与するためには滅菌された針や注射器が必要なため、その歴史はまだ浅く、静脈に注射ができるようになったのは1880年代以降といわれています。実際に注射麻酔薬が臨床応用されたのは1934年のようです。

薬草からはじまり今日の麻酔法にいたるまで、想像以上に長い歴史があったようです。近年では解剖学の発達により、獣医療でも様々な神経ブロックが使用され、よりよい鎮痛が行えるようになっています。

麻酔を専門とする獣医師も増えてきているので、大きな手術を受ける場合には麻酔に力をいれている動物病院を選ぶのも良いかもしれません。 

まとめ

バウワウ プレイス

今回は麻酔や鎮静について解説をしました。

いかがでしたか?

麻酔と聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、きちんとした設備や知識のもとで行うことで、そのリスクは軽減できます。

もしも大切な愛犬・愛猫ちゃんの麻酔で心配がある場合はかかりつけの獣医師とよく相談して、不安を解消してから麻酔に進むようにしてくださいね。

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