【獣医師】愛犬・愛猫のフィラリア予防を詳しく解説!
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春が近づいてきましたね。
春といえば、フィラリア予防を始めるタイミングですね!
今回はわんちゃんだけではなく、ねこちゃんのフィラリア予防についても獣医師の観点から解説をしていきます。
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正しい情報を持っていただき、愛犬・愛猫の健康維持にぜひお役立てください!
1.フィラリア症とは?
◆原因と病態
日本語では「犬糸状虫」という名前の寄生虫が蚊によって媒介され、心臓に寄生することでおこる病気です。
フィラリアは、以下の順番で蚊からわんちゃんに感染します。これを専門用語では「生活環」と呼びます。
①蚊が、感染犬から「ミクロフィラリア」というフィラリアの幼虫を吸血します。
②蚊の体内で、「ミクロフィラリア」は「幼虫」に成長します。
③この蚊が他のわんちゃんを吸血する時に、「幼虫」がわんちゃんの体内に侵入します。
④わんちゃんの皮下や筋肉内で「幼虫」が成長します。 ←予防薬はこの幼虫を駆除します!
⑤成長した「幼虫」が血管に侵入します。
⑥血液に乗りながら「幼虫」は心臓に到達し、「成虫」へと成長します。
この段階になると血液の循環が悪くなるため、咳が出たり、疲れやすくなったり、お腹に水がたまったりと様々な症状が出ます。
◆診断・治療方法
血液検査で診断が可能です。
心臓の中に多数の成虫が寄生している場合は心臓のエコー検査でも診断できます。
軽症の場合はお薬を飲んで感染しているフィラリアが死滅するのを待ちます。
多数の感染がある場合も内服で治療しますが、フィラリアが一気に死滅することによりアナフィラキシーショックが起こる場合があるため、注意が必要です。
外科的に心臓から寄生虫を取り除く方法もありますが、適応例は限られています。
◆ねこちゃんもかかるの?
犬糸状虫という名前の寄生虫が原因ですが、実はねこちゃんにも感染します。
ただ、ねこちゃんはある程度の抵抗性をもっているため、わんちゃんに比べると感染率は低いです。
しかし、わんちゃんと比べて少数の寄生でも重症化してしまいます。
ねこちゃんのフィラリア症はわんちゃんに比べると診断が難しい上に、症状が出始めるタイミングや症状の種類も異なります。
治療が遅れてしまうと突然死などの可能性があるため、より一層予防が大切とされます。
2.予防のタイミング
◆何月から何月まで?
基本的には「蚊の発生1か月後から、蚊が見られなくなってから1か月後まで」といわれています。住む地域によって蚊の発生時期は異なるため、どの期間予防を続けるべきかはかかりつけの動物病院に相談してみてください。
感染を確実に防ぐために通年で予防する方法もあります。通年で予防を続ける場合は、次項で解説する検査を行う必要はなくなります。
◆予防の前に血液検査をする理由
1章でも紹介したように、フィラリアが多数感染している状態でお薬を飲むと、体内で一気にフィラリアが死滅することによりショックを起こす可能性があるため、毎年予防薬を飲む前には血液検査で感染の有無を調べる必要があります。動物病院で一般的に行われている抗原検査やミクロフィラリア検査は、少量の血液で判定ができるため、わんちゃんやねこちゃんへの負担は少ないです。感染後5~6か月が経過すると検出が可能となります。
3.予防方法
ほとんどのお薬が毎月1回投薬するタイプになっています。
取り扱いは少ないですが、年に一度注射をするタイプのお薬もあります。
今回は、毎月の投薬で予防するお薬について解説していきます。
◆おやつタイプ
予防薬におやつのような味がついていて、嗜好性が高いものです。
フィラリア症だけを予防するものもありますが、オールインワンタイプだとフィラリア症の他にノミ・マダニ・消化管内寄生虫などを一気に予防できます。
◆錠剤タイプ
錠剤の方が飲ませやすい場合はオススメです。
錠剤のオールインワンタイプは筆者の知る限りでは見たことがないため、錠剤タイプを使用する場合はノミダニ予防薬を別で投薬する必要があります。
◆滴下タイプ
おやつタイプも錠剤タイプも難しい場合は、皮膚に滴下するタイプの予防薬もあります。
ねこちゃんのフィラリア予防薬は滴下タイプのものが多いです。
自宅での滴下が難しい場合は、動物病院で処方してもらうタイミングで、院内での投薬をお願いしてしまうのも一つの手です。
滴下タイプはお薬が皮膚から吸収されるまで少し時間がかかるため、投与後2時間は水などに濡れないようにする必要があります。
また、皮膚が弱い場合はかかりつけの獣医師と相談してから使用を決めてください。
◆予防薬は病院で買わなければダメ?
予防薬は「要指示医薬品」であるため、獣医師の診察を受け、処方されなければ購入ができません。
獣医師がいないホームセンターなどで売られているものは薬用量が少なかったりするため、きちんと効果が得られるかは疑問があります。
市販薬で効果が得られずに感染してしまっては元も子もありません。
動物病院を受診するのは労力がいりますが、きちんと診察を受けてから処方をうけるようにしましょう。
一度診察を受ければ、その後はお薬のみを処方してくれる場合もあるので、かかりつけの動物病院へ相談してみてください!
まとめ 安心安全のドッグ・キャットフードはバウワウ プレイスへ!
今回は、わんちゃん・ねこちゃんのフィラリア予防について詳しく解説しました。月一回の予防薬は投薬を忘れてしまわないように、毎月投与日を決めてカレンダーに記入してくださいね!
しっかりと予防をして、わんちゃん・ねこちゃんとの生活を楽しみましょう!