【獣医師解説】愛犬・愛猫の輸血の目的や方法について詳しく解説
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わんちゃんやねこちゃんの輸血ドナーを募集する投稿をSNSで見かけたことはありませんか?輸血は大変そうだけど、どのように行われているのか分からない…そのような方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな輸血に関して詳しく解説します。
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1.わんちゃんやねこちゃんに血液型はあるの?
◆わんちゃんの血液型
わんちゃんの血液型として現在国際的に認められているものは、「DEA」という赤血球抗原の型により分類されたもので、DEA1.1、1.2、3、4、5、6、7、8の8種類と言われており、1頭のわんちゃんは複数のDEA型を持っています。
それぞれのDEAを持っている場合は(+)、持っていない場合は(-)で表します。
それぞれのDEAを持っている場合は(+)、持っていない場合は(-)で表します。
沢山ある型の中で、DEA1.1は強い免疫反応を引き起こすため、輸血が必要になった場合に特に重要となります。
DEA1.1には簡易的に判定ができるキットがあるため、輸血の前にはまず簡易キットで血液型を調べてドナーの選別をし、その後にドナーの血液と適合するかの「クロスマッチ試験」を行います。
DEA1.1には簡易的に判定ができるキットがあるため、輸血の前にはまず簡易キットで血液型を調べてドナーの選別をし、その後にドナーの血液と適合するかの「クロスマッチ試験」を行います。
◆ねこちゃんの血液型
ねこちゃんの血液型は人の血液型と少し似ていて、A型、B型、AB型に分類されます。O型は存在しない点が人と異なります。
日本ではA型が占める割合が多く、B型はまれ、AB型はごくまれです。
日本ではA型が占める割合が多く、B型はまれ、AB型はごくまれです。
わんちゃんと同様にねこちゃんにも血液型を調べる簡易キットがあるため、輸血が必要になった際にはまず簡易キットで血液型を判定し、その後にクロスマッチ試験を行います。
2.輸血のドナーさがし
◆血液ドナー
人間では献血のシステムがあるため、あらかじめ貯蓄された血液製剤を使用します。ところがわんちゃんやねこちゃんにはそのようなシステムがないため、輸血が必要になるとその都度ドナーから採血をしなければなりません。
輸血のドナーになるためには年齢が一定以下であること、体重が一定以上であること、持病がないこと、などの条件があり、それぞれの動物病院が患者さんに対してボランティアでのドナー登録を呼びかけている場合が多いです。輸血が必要になると、血液型が一致するドナーに連絡をし、都合のつく方に協力をいただくのが一般的な流れです。
輸血のドナーになるためには年齢が一定以下であること、体重が一定以上であること、持病がないこと、などの条件があり、それぞれの動物病院が患者さんに対してボランティアでのドナー登録を呼びかけている場合が多いです。輸血が必要になると、血液型が一致するドナーに連絡をし、都合のつく方に協力をいただくのが一般的な流れです。
日本ではこのような流れで輸血を行いますが、実はアメリカでは動物用の血液バンクが存在し、輸血が必要な際は血液製剤を購入して治療を行うことができます。日本でこのようなシステムを作ることは現実的ではないかもしれませんが、スムーズに輸血が行える体制が将来確立されると良いですね。
◆クロスマッチ試験
輸血のドナーが決まった後は、実際に血液が適合するかの検査を行います。この検査はクロスマッチ試験と呼ばれ、輸血を受ける「レシピエント」と血液を提供する「ドナー」の血液を混ぜ合わせても拒絶反応が起きないかを試験管上で確かめるものです。
クロスマッチ試験で免疫反応が起きない事を確かめて、やっと輸血のGOサインが出ます。この試験には数十分ほど時間がかかるため、輸血をしたくても準備にはかなり時間がかかる事がお分かりいただけるかと思います。
◆実際の輸血
検査が終わりドナーからの採血が終わると、いよいよ輸血を開始します。
クロスマッチ試験を行ったとはいえ拒絶反応には注意をしなければならないため、輸血は少量から慎重に開始します。開始後は定期的にバイタルを確認し、目標値に達するまで静脈から輸血を行います。
こうして、わんちゃんやねこちゃんへの輸血は完了します。
こうして、わんちゃんやねこちゃんへの輸血は完了します。
3.どのような病気に輸血が必要?
血液は酸素を体内の臓器に届ける大切な役割をもっています。様々な原因で血液が不足する場合に、応急処置的に血液を補充することが輸血の目的です。以下に輸血が適応となる疾患をいくつか挙げますが、この他にも輸血を行う場合はあります。
◆貧血をおこす病気
様々な原因で貧血におちいってしまう場合に輸血が実施されます。出血を起こすような事故にあったり、消化管などの臓器から出血がある場合、感染症等で血球が壊されてしまう場合、血液の病気でそもそも血液が作れない場合などがその一例です。
◆赤血球以外の成分が必要な場合
血液には、赤血球以外にも凝固因子(血を止める成分)やアルブミンなどのたんぱく質も含まれます。様々な病気によってこれらの成分が不足する場合に輸血が実施されることもあります。
◆手術に関連して
心臓の手術や肝臓の手術など、手術中に出血のリスクが高い場合はあらかじめ輸血を準備する場合があります。この場合、手術中から輸血をするのか手術後に輸血をするのかは、術前のわんちゃん・ねこちゃんの状況によって異なります。
まとめ 愛犬・愛猫のヘルスケアサプリやおやつをお探しの方はバウワウ プレイスへ!
今回は、わんちゃんやねこちゃんの輸血について解説をしました。上記のとおり、輸血には様々な準備が必要です。輸血を受ける場合でも献血を考えている場合でも、あらかじめ血液型を調べておくのも良いかもしれませんね。