【獣医師監修】水害の後は特に注意 愛犬のレプトスピラ感染症

 

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わんちゃんの「レプトスピラ症」という感染症を聞いたことはありますか?あまりメジャーな感染症ではありませんが、感染してしまうと非常に危険な病気です。
実はこの病気は水害の後にも気を付けた方が良い病気のため、先日の台風で増水した川などには注意が必要です。
今回はそんなレプトスピラ症について詳しく解説していきます!
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正しい情報を持っていただき、愛犬の健康維持にぜひお役立てください!


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1.レプトスピラ症とは

レプトスピラ症とは



原因菌

レプトスピラ症は、レプトスピラ菌という細菌による感染症で、人間にも感染する可能性がある「人獣共通感染症」のひとつです。
ねずみなどの野生動物が保菌しているレプトスピラが尿から排泄されて土壌や水を汚染し、その土壌や水に接触した動物が皮膚や粘膜などから感染をします。
レプトスピラは湿った土壌や淡水中で数か月間も生き残るとされるため、非常に厄介です。
大雨や洪水のあとは、汚染水がうっ滞したり、ネズミと接近する機会が増えることなどにより、感染の危険性が高くなるため注意が必要です。
 

症状

元気消失や食欲不振、発熱や嘔吐などの症状がみられます。
レプトスピラは腎臓にダメージを与える細菌のため、急性腎不全に陥ると尿量が異常に増えたり、逆に全く尿が出なくなったりします。特に、尿が全くでない状態は非常に危険です。また、肝臓に大きなダメージを与える場合もあります。

症状が進行すると全身性に炎症が起きて多臓器不全を起こし、最悪の場合は命にかかわる非常に怖い病気です。

診断

血液中の抗体の検査や、尿のPCR検査などで診断をつけます。
ただし、いずれの検査も普段の診察ではなかなか行われない特別な検査のため、検査を実施するためには飼い主さんからの報告が決め手となります。

水辺に行ってから調子が悪い場合や、繁華街などの汚い下水に触れてしまった可能性がある場合などは、受診した際に必ず獣医師に伝えるようにしてください。



2.予防方法

 

犬 感染症予防



ワクチン

レプトスピラは怖い病気ですが、幸いなことにワクチンでの予防が可能です。
現在日本で接種できる混合ワクチンのうち、8種ワクチンや10種ワクチンにはレプトスピラが含まれます。

また、レプトスピラ単体のワクチンを取り扱っている動物病院もあるため、5種や6種ワクチンにレプトスピラワクチンを組み合わせて接種することも可能です。(6種や8種に含まれる、レプトスピラ以外のものに関しては混合ワクチンの記事をご覧ください!)
レプトスピラには複数の「血清型」があり、各種ワクチンで予防できる型が異なります。それぞれの混合ワクチンに含まれているレプトスピラの血清型は以下の通りです。

8種 :イクテロヘモラジー型、カニコーラ型
10種:イクテロヘモラジー型、カニコーラ型、グリッポチフォーサ型、ポモナ型

レプトスピラ単体のワクチンには、10種ワクチンと同じ4つの血清型が含まれます。
川辺によく出かけたり、アウトドアをよく楽しむご家庭であれば、8種以上のワクチンを接種してレプトスピラ症を予防した方が良いでしょう。

それぞれのわんちゃんのライフスタイルにあわせて、接種するワクチンはかかりつけの獣医師と相談してみてください。

お出かけ時の注意点

前項でも解説した通り、レプトスピラは湿った土壌や水辺に生息しています。
そのような場所に出かけた場合はなるべく水溜りなどの水は飲ませないように気を付けましょう。ケガや皮膚炎がある場合は皮膚からの感染を起こす可能性が上がるため、そのような場所には出かけないように気を付けましょう。

また、大雨が降って増水した後の河川敷なども注意が必要です。水が引いて河川敷が落ち着いたように見えても、汚染水が停滞している可能性があります。

大雨のあとは、土壌が完全に乾くまで河川敷などでのお散歩は避けた方が安全です。これからの季節、台風が増えるため特に注意をしてください!


3.治療方法

愛犬 感染症 治療法

 

わんちゃんの治療

レプトスピラ症は悪化すると命に関わる病気のため、基本的には入院が必須となるでしょう。入院下での抗菌薬の投与と点滴が基本となります。
急性腎不全を起こしていて点滴での治療では不十分と考えられる場合は血液透析が必要になる場合もあります。しかし透析の治療は治療経験が豊富な獣医師や設備が整っていないとできない治療なので、場合によっては大きな病院へ紹介されての治療が必要になるかもしれません。
 

環境の消毒

レプトスピラは、感染後~回復後数か月や数年間、尿中に排泄されるといわれています。
人獣共通感染症であるため、ご家族への感染を避けるためにも、回復した後も排泄物の消毒が大切です。

レプトスピラは熱や乾燥、消毒薬には弱いため、消毒用アルコールや次亜塩素酸水で消毒が可能です。



まとめ 愛犬・愛猫のヘルスケアサプリやおやつをお探しの方はバウワウ プレイスへ!

バウワウプレイス
今回は、レプトスピラ症について詳しく解説しました。
近年の日本ではそこまで発生は多くない病気ですが、まれに発生が報告されています。
混合ワクチンを打つ際、レプトスピラを含むものを打つかどうか迷う方も多いと思います。その判断にこの記事が少しでも役に立つと嬉しいです!